親の介護が心配になったら利用したいサービス8選

介護は準備が9割

介護は時間との闘いです。

日々の生活面での介護だけでなく、病院の付き添いや入退院の手続き、介護用品や介護リフォーム、介護施設探しなど、嵐のような日々が続くことになります。

年間10万人と言われる介護離職、介護うつ、介護自殺の増加が介護の過酷さを物語っています。

万が一、認知症の介護となれば、記憶障害や徘徊といった認知症特有の症状への対応に加え、専門医探し、介護施設探し、成年後見制度、受け入れてくれる介護施設探しなど、時間的にも精神的にも過酷さは倍増します。

『介護地獄』という表現は、大げさでも何でもないのです。

そして、介護はある日突然訪れます。

高齢者の場合、脳卒中、自宅での転倒などをきっかけに入院することがあれば、その後はかなりの確率で介護が必要になってしまいます。

親と離れて暮らしている場合、半年ぶりに会ったら認知症になっていた、ということもよくあります。(電話では気づかないことが多いんです。)

そうして、ほとんどの人は、何も準備せずに介護という嵐の中に突入してしまうんです。

でも、、、よく考えてみれば、介護は誰にでも訪れる可能性があるんです。

平均的な健康寿命は男性70歳、女性で73歳なので、親が70歳前後になっていれば、ある日突然介護がやってくる可能性はかなり高いのです。

介護の準備は、災害への準備とよく似ています。

例えば、私たちはいつ地震が来るのか予測できませんが地震に備えています。

「いつ来るか」は分からなくても、「いつか来る」ことが分かっているからです。

なぜ建物を耐震にしたり、防災訓練を行ったり、災害グッズを準備したりするのかと言えば、それを行うことで被害を最小限に抑え、生存率が上がるからです。

介護も同じです。

少しでも準備をしてきた人と、何も考えたことがない人では『生存率』がまったく異なります。

そこで、介護に突入する前であっても、もちろん介護が始まった後であっても、早い段階で利用しておきたいサービスをまとめてみました。

地震で建物が揺れている最中に防災グッズを用意しても遅いように、介護で切羽詰まった状態になってからではできないことも多いですが、今ならできることはたくさんあります。

全て無料で利用できるサービスですので、必要がありそうなものは全て利用することをおすすめします。

地域包括支援センターに行く

「介護といっても何をしたら良いのか分からない」

「どんな介護サービスが受けられるか相談したい」

失業したときに最初にハローワークに行くように、介護が必要になった時に最初に行くのが地域包括支援センターという公共の窓口です。

いざ介護が始まった場合、要介護認定やケアマネージャー選びなど、地域包括支援センターで相談しながらすすめることになります。

今は介護が必要でなくても、親が高齢者であれば親身に相談に乗ってくれますし、適当にパンフレットをもらってくるだけでも大きなシミュレーション効果がります。

お近くのセンターが分からない場合、上記のリンク集から探すこともできますし、市役所に問い合わせれば教えてもらえます。

行ったことがない人は、ぜひ一度足を運んでおきましょう。

認知症専門医を探す

認知症は診断が難しく、誤診も多い病気です。

適切な治療のためにも、正確な要介護認定を受けるためにも、早い段階で認知症専門医を探しておく必要があります。

認知症の介護は、多くの場合、時間的にも精神的にもとてもストレスの大きなものになります。

少しでも進行を遅らせたり、早めの対策を講じることが大切ですが、そのためには認知症を専門とする病院に行くことが大切です。

ところが、いざ探してみたら自宅の近くに良い病院がない!というケースもあります。

本格的に介護が始まってからでは落ち着いて調べることもできません。

まずは病院の有無だけでも確認しておきましょう。候補をリストアップしておくだけでも、緊急時の対応がスムーズになります。

認知症を早期発見する

認知症は早期発見が大切だと言われますが、仮に良さそうな病院があっても実際に親を連れて行くのは抵抗がありますよね。

そんな時に便利なのが、インターネットから行える認知症診断テストです。

簡易的なテストではありますが、長谷川式をベースにした、質の良いテストだと思います。

親の認知症が心配な場合、プリントアウトして自宅で一緒にやってみてもよいでしょう。

介護サービス費用を知る

介護費用の平均は毎月6万円程度と言われますが、2万円程度の自己負担で済んでいる人もいれば、自宅介護にも関わらず30~40万円をかけている人もいます。

ところが介護経験がないと、介護サービスを利用するためにどのくらいの費用がかかるのか、全く想像がつかないものです。

実際に発生する金額はその時の状況で変化しますが、「何をしたらどのくらいの費用がかかるのか」おおよそのイメージだけでも持っておきたいところです。

介護費用かんたんシミュレーションでは、介護保険で利用できる介護サービスの費用や、介護用品のレンタル費用などを計算することができます。

介護が始まる前であっても、「介護にはけっこうお金がかかる」という現実が実感できると思いますし、介護中に「何をどのくらい使うのか」決めるためにとても便利なサービスです。

実家の片付けと不要品の処分

今すぐ生活の質を上げる方法として、最も効果的なのが「片付け」と「不要品の処分」です。

現在70歳~の方々は「もったいない世代」で、中々物が処分できません。ゴミ屋敷とは行かないまでも、多くの高齢者の自宅には大量の「使われない物」が残っています。

ところが、物が多すぎることで、見た目がゴチャゴチャするだけでなく、2つの深刻なトラブルを招くことがあります。

1つ目は、家の中での事故が起きやすくなることです。
2つ目は、いざという時に本当に大切な物が分からないことです。

まず床に物が置かれていたり、収納場所がなく高いところに積まれている状態は、それだけで転倒や転落などの重大な事故を招く可能性が高いです。

また入院したり施設に入ることになった場合、基本的には家族や介護者が持ち物を用意することになりますが、そこでも「本人にとって大切なもの」が分からなかったり、見つからないというトラブルがよく起こります。

このような事故やトラブルを防ぐためには、少しでも早い段階で実家の片付け、整理を行う必要があります。

逆に、単純に実家の片付けを行うだけでも、トラブルを未然に防ぎ、生活の質を上げる効果があるんです。

不要品の処分時に覚えておきたいのは、古い物には意外と価値のある物が多いということです。

着物や毛皮などの衣類、骨董品などには○○万円の値段がつくことも珍しくありません。本当に良い物は価値が落ちないどころか、価値が上がります。

特に「着物」「毛皮」「アンティーク品」「コレクション品」などについては、専門家に鑑定してもらったほうが確実です。

買い取りサービスにも色々ありますが、
『買取プレミアム』は買い取り可能ジャンル、買い取り価格、サービス内容ともに業界でトップクラスです。

とにかく、実家の片付けは早ければ早いほどいいです。

老齢になるほど片付けは体力的にも気力的も困難になりますし、もし認知症を発症することがあれば、「物盗られ妄想」につながるので、ちょっとした片付けですら困難になってしまいます。

もし床に物が置かれている状態や、室内が散らかった状態であれば危険信号なので、買い取りサービスなどを上手に利用しながら、早めの片付けをおすすめします。

リフォームの正しい知識を持つ

要介護度が上がってくると、自宅介護を続けるか、施設に入れるかの選択を迫られることになります。

ところが自宅介護をしたくてもできないことがあるのです。

自宅の構造的に、介護が不可能な場合です。

例えばお風呂やトイレが狭すぎて介助ができない、壁が弱くて手すりがつけられないなどですね。

自宅介護というと、同居の有無や実家との距離、仕事との両立といった条件ばかりを考えてしまいますが、そもそも自宅介護が可能な家なのか、真剣に考えておく必要があります。

2000年以降に建てられた家やマンションであれば、多くの場合、バリアフリーを考慮しているはずですが、それ以前の場合は介護環境としてかなり厳しいケースもあるようです。

意外と見過ごされがちなのが、バリアフリー化による介護予防効果です。

リフォームによって自宅の安全性を高めることで、高齢者の事故を防いだり、介護そのものを予防する効果があるのです。

高齢者の事故で最も多い『転倒』は自宅内で起こるケースがほとんどです。

段差が多く動線の複雑な家は、事故のリスク、介護のリスクを高めてしまいます。

高齢者になるほど新しい環境に適応しにくくなるので、目安として築25年~30年以上経過していれば、老朽化対策も含めて早い段階でリフォームの必要性を確認しておいたほうがいいと言われますね。

要介護認定後には20万円までの補助が出ますので、まず段差の解消やスペースの確保など、「バリアフリー対応」にしておいて、後から手すりなどの必要な設備つける人も多いようです。

ただしリフォームは、新築とは違い、『決まった形』がありません。

特に高齢者世帯でのリフォームでは、生活スタイルを含めてリフォーム業者と相談しながらすすめることが最も大切なポイントになります。

万が一、リフォーム業者選びで失敗してしまうと、大変なことになってしまいます。

金額も大きいですが、何より後から取り返しがつきません。

『リフォームの青本』はリフォームの業者選びや、リフォーム費用の決まり方などについて詳しく書かれた無料の冊子です。

市販の本の多くはリフォーム事例集で、肝心の業者選びについての情報はほとんどありませんので、私もこの冊子で初めて知ったことがたくさんありました。

介護やバリアフリーに限らず、家はいつか必ずリフォームが必要になってくるものなので、一家に一冊常備しておくべき冊子だと思います。

介護施設を探す

特に介護者が親と別居の場合、最終的に介護施設を検討することになります。

ところが比較的低額で入居できる特別養護老人ホームは要介護度3以上、実質的には要介護度4以上なければ入居できず、しかも数百人単位で入居待ちです。

つまり自宅介護が不可能になった場合、高額な民間の介護施設しか選択肢がない可能性は高いんです。

「特養落ちた、日本死ね」

って思っている人は多いはずです。

子どもの保育園以上に、親の介護施設が見つかるかどうかは、自分の人生に大きな影響を及ぼします。

介護施設にも様々なタイプがあり、同じタイプであってもサービス内容も違い、価格も2倍以上違ったりします。

いざ施設入居が必要になった時は、忙しすぎて時間の余裕も精神的な余裕もありません。その段階で介護施設間の違いを調べたり吟味することはほぼ不可能です。

費用的にもサービス的にも納得のいく施設に入居するためには、可能な限り早い段階で、介護施設探しを始めることが大切です。

保育園探しでは、子どもが生まれる前から保育園に受かりやすい住所に引っ越す人もいますよね。

介護施設探しも、その後の人生への影響を考えると、保育園と同じくらい事前準備を行う価値があると思います。

介護と相続の法律相談

介護は、介護だけの話ではありません。

お金、法律、人間関係などが複雑に絡む問題です。

残酷ですが、高齢者介護の終着駅は親が亡くなる時と決まっています。つまり介護の先には100%相続の問題が発生します。

全く介護をしなかった兄弟が、遺産相続については100%の権利を要求してくることもあります。

延命措置をしないことで何も知らない親類から「人殺し!」と罵られることもありますし、葬儀費用を節約すれば「こんな葬式ではダメだ!」とクレームが入ることもあります。

人が死に、大きなお金が動くとき、表面的な人間関係は簡単に壊れてしまいます。

・兄弟が多い
・親類が多い
・家系的に価値観が古い

このような場合、全く問題が起こらないことのほうが珍しいでしょう。

後々に本来必要のない禍根を残さないためには、何より本人の意志を明確にしておくことが大切です。

ただし、仮に書面を残しても、自己流の書面だと法的には認められないこともあるのです。そのため相続の場面で、逆にトラブルに発展する原因にもなってしまいます。

そもそも自分の親の場合は何について意志表示が必要なのか、私たち一般人には想像がつかないことが多いでしょう。

ところが介護の窓口である地域包括支援センターは、介護が専門で、法律については専門ではありません。

そこで司法書士や弁護士などの法律の専門家に相談することが大切です。

必要な書面を用意しておくことで、かなりのトラブルを未然に防ぐことができます。

注意するべきなのは、法律専門家が必ずしも相続に詳しいわけでもなく、相続に詳しい法律専門家が介護や認知症に詳しいわけでもないことです。

介護と相続の両方に詳しい法律専門家に相談する必要があります。

『教えてgoo!介護の相談』では、介護・相続の両方に詳しい法律専門家を紹介してもらうこともできます。

※サイト右上の『相談メール』から相談してみましょう。

特に認知症が関係する場合は、早めの相談が必要です。

相続だけでなく、資産管理や成年後見制度の利用などについても相談できるので介護中のトラブルを防ぐ意味でも恩恵は大きいはずですよ。

まとめ:介護は情報戦

介護は時間との闘いであると同時に、情報戦でもあります。

その理由の1つ目は、医療について、介護サービスについて、金銭管理について、法律について・・・など考えるべきことがとても多いからです。

理由の2つ目は、日本の行政サービスも法律も申請主義なので、知らないと損をすることが多いからです。

知っているか知らないか、それだけの違いで数十万円~数百万円の差が生まれることは珍しくありません。

お金だけでなく、納得のいく介護をするためにも、自分自身の人生を守るためにも、早めに情報を集めたり、専門家に相談することが大切なんです。

今回紹介したサービスはすべて無料で利用できますので、ぜひ活用してください!!!

少しでも役に立てば幸いです^^